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岡村 智晴 展 -tototeto- @新宿髙島屋 10階 美術画廊

2018.03.22

 

 

 

 

3月22日より新宿髙島屋 10階 美術画廊にて、岡村 智晴 展 -tototeto- を開催いたします。

金属箔を使って描いた“結露”の作品を中心に、500号の大作を含む未発表新作を28点出品します。

お近くにお立ち寄りの際は、是非お越しください。

 

日程:2018年3月22日(木)→4月2日(月)

場所:新宿髙島屋10階 美術画廊

※連日10時から午後8時まで開催。

ただし金・土曜日は午後8時30分まで、最終日は午後4時閉場。

 

 

『tototeto』

 

幼い頃、結露した窓や鏡を指でなぞって描いた絵や文字。

描いては消えていく形には、記憶の欠片、儚くとも美しい営み、痕跡を見いだすことができます。

温もりのある空間、空気中に溶けた水が、冷えた窓や鏡を曇らせ即席のキャンバスを作り出します。

 

画面正面からみると、全面に貼った金属の箔が見えてきます。

角度を変えると浮かび上がる風景と、露を拭って滴る水滴。

記憶の片隅にあった幻、そこに居たはずの存在、風に吹かれて消えそうな生命の象徴として子供達の痕跡を描いています。

窓を拭い伝う水滴もまた、同じ場所に留まらない生命と記憶の隠喩であります。

形を変え繰り返しながら変転する水を描いた、横山大観(1868-1958)の「生々流転」にも観られるように景色を満たす水の気配は、時の流れや生命の営みを描く絵画の本質として、日本絵画に描かれてきました。

悠久の時の中でみたら、私たち一人一人の命は儚いもので、梅雨をなぞって描いては消える、絵のような存在ですが、確かな痕跡がそこにあり。形を変えて世界中に遍満していく水のようでもあります。

 

“結露”は、そんな生命と記憶の痕跡を描いた作品です。

『tototeto』と題した今展では、新たに挑戦した技法で描いた“結露”の新作を発表いたします。

ご高覧いただければ幸いです。

 

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